予防歯科とは?目的や内容、メリットを知り活用につなげよう
虫歯や歯周病を未然に防ぎ、歯を健康に保つ役割がある予防歯科には、身体の健康を守ったり、歯科医院の利用にかかる費用を削減できるメリットがあります。
しかし、効果を十分に得るためには、プロによるケアのほかに自身で行うケアも重要です。
この記事では、さまざまな視点から見た予防歯科について紹介します。
虫歯・歯周病の予防をしたい方や、予防歯科について知りたい方は参考にしてください。
予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病を予防し、天然歯を健康に保つことを目的とした歯科医療やセルフケアを指します。
診察や検査によって歯の現状を確認したり、自分では取り切れない汚れをクリーニングによって除去したりなど、専門的なケアが受けられるのが特徴です。
虫歯や歯周病になる前に対処することで、治療にかかる費用や身体への負担を軽減できるメリットもあります。
歯科検診との違い
予防歯科と歯科検診は深い関わりがありますが、それぞれ目的が異なります。
予防歯科は虫歯や歯周病が発生する前に防止することを目的としていますが、歯科検診はすでに虫歯や歯周病になっているケースを含め、口腔トラブルが起こっていないか定期的に確認することを目的として行われます。
歯の健康を守るためには予防が最も効果的ですが、問題が発生した際に早期発見・治療する、または悪化を防止することも大切です。
先進国では、歯科医院は予防のために利用する場所という考えが深く根強いており、予防歯科は自分の歯を長く健康に保つために欠かせない存在だといえるでしょう。
予防歯科の目的

予防歯科は、以下3つの目的で行われます。
- 虫歯や歯周病の予防
- 口内を健康に保つ
- 口腔ケアへの意識の向上
それぞれの目的について解説します。
虫歯や歯周病の予防
予防歯科では、虫歯や歯周病の治療よりも予防に重点をおいています。
虫歯や歯周病は進行すると元に戻すことが難しく、治療をしても再発のリスクが高くなるため、予防が重要です。
予防歯科には、歯のクリーニングやフッ素塗布、適切なセルフケアなどを通して歯を虫歯・歯周病から守る効果が期待できます。
口内を健康に保つ
予防歯科には、歯を中心とした口内の健康を維持する役割があります。
虫歯や歯周病が進行すると、歯茎や顎骨にも大きな影響を及ぼします。
定期的に歯科医院に通うことで、長く口内の健康維持ができるように努めましょう。
口腔ケアへの意識の向上
予防歯科を受けると、口腔ケアへの意識が向上します。
歯科医院が行う予防措置のほかに、自身でもセルフケアを取り入れることで予防効果が高まります。
虫歯予防の基本である歯磨きも、歯科医師や歯科衛生士の指導のもと適切な方法を学ぶことが可能です。
歯科医院で予防歯科を受けるメリット

歯科医院での予防歯科には、以下の6つのメリットがあります。
- 口内の健康が身体の健康にもつながる
- 口内トラブルの治療にかかる負担が軽減できる
- 天然歯を健康に長持ちさせられる
- 専門的なケアを受けられる
- 審美面にも特化している
- 自分に合った方法で予防ができる
それぞれのメリットについて解説します。
口内の健康が身体の健康にもつながる
口内の健康を維持することは、身体を健康に保つことにもつながります。
虫歯や歯周病は、咀嚼力の低下による消化管への影響や、免疫機能の低下によって感染症にかかりやすくなるなどの全身に関わる問題につながるおそれがあります。
また虫歯や歯周病が悪化すると、虫歯菌や歯周病菌が全身に広がって心臓病・糖尿病・誤嚥性肺炎を発症・悪化させるリスクも指摘されているため、注意が必要です。
口内トラブルの治療にかかる負担が軽減できる
虫歯や歯周病を予防することで、口内トラブルの治療にかかる身体的・金銭的な負担を軽減できます。
予防歯科は虫歯や歯周病の予防を目的としていますが、もしこれらの疾患が発生した際も初期の段階で治療できるため、歯を削ったり歯茎を傷付けたりする処置を可能なかぎり減らせます。
また、虫歯や歯周病を治療する際にかかる費用を削減することも可能です。
予防のためだけに通院すると余計な医療費がかかると思われがちですが、実は予防にかかる費用よりも、虫歯や歯周病の治療で通院するほうが総合的な出費は増える傾向にあります。
特に、悪化することで抜歯が必要になるとさらに高額な医療費がかかる可能性があります。
歯を健康に保ちつつ、長期的な医療費を節約できることは、予防歯科の大きなメリットです。
天然歯を健康に長持ちさせられる
予防歯科は、自分の歯を健康な状態で長く使うために必要不可欠です。
虫歯や歯周病が原因で歯を失った場合、インプラントやブリッジなどの選択肢がありますが、自分の歯で咀嚼する場合に比べると噛み心地に違和感が生じる可能性があります。
特にブリッジの場合、人工歯を被せるために隣接する歯を削る必要があり、歯の寿命を縮めてしまうことになります。
一度削った歯や虫歯治療のために根管治療を行った歯は脆くなるため、天然歯を自分のものとして長く使用するためには、治療よりも予防に力を入れることが大切です。
専門的なケアを受けられる
歯科医院の予防歯科では、自分で行うよりも専門的なケアが受けられる利点があります。
歯科医師や歯科衛生士による歯石の除去やフッ素塗布などのケアは、虫歯や歯周病の予防に非常に効果的です。
歯科医院で行う予防歯科では、超音波スケーラーやエアフロ―などの機器を用いた専門的なクリーニングが受けられます。
高性能な設備を導入している歯科医院では、より精度が高くて効率的な予防ケアが可能なため、健康を保ちやすいでしょう。
審美面にも特化している
自費診療の予防歯科では、健康の維持だけではなく審美面にも特化した口腔ケアが受けられます。
PMTCと呼ばれるクリーニングでは、歯の表面や歯同士の間、歯茎との間などに溜まった汚れを除去するほか、歯の表面をなめらかにし、自然な色調や光沢を実現します。
予防をしながら歯の見た目もきれいにしたい場合は、自費診療のクリーニングを受けるのがおすすめです。
自分に合った方法で予防ができる
予防歯科では、自分に合ったオーダーメイドの予防ケアが可能です。
自費診療の予防歯科は、治療内容や使用する器具、クリーニングを行う回数など、医師と相談しながら自分に合った方法で受けられます。
通院回数の制限もないため、気になる場合に自由に通えます。
また個人に合った予防方法の提案が可能で、ブラッシング方法やセルフケアの仕方を指導したり、生活習慣やリスク要因に合わせてプログラムを計画したりできるのも利点です。
歯科医院で行われる予防歯科の内容

歯科医院の予防歯科で取り扱われる内容は、主に以下の5つです。
- 診察・検査
- スケーリング
- PMTC
- フッ素塗布
- 歯磨き指導
それぞれの内容について解説します。
診察・検査
まずは診察や検査を行い、口内の状態を確認します。
診察では、問診・視診・触診によって見える部分に虫歯・歯周病がないか確認したり、歯茎の炎症の有無を把握したりします。
検査では歯周ポケットの深さを確認するほか、専用の器具やレントゲンを用いることで見えない部分の炎症や虫歯・歯周病の早期発見が可能です。
スケーリング
スケーリングでは、スケーラーと呼ばれる器具を使用して歯石を除去します。
歯石は、歯垢(プラーク)が石灰化して歯に硬く付着したもので、通常のブラッシングでは除去が困難なため、専門的な方法で取り除く必要があります。
歯石が溜まると歯茎が炎症を引き起こすおそれがあるため、歯周病予防のためにもこまめに除去することが大切です。
歯石取りに用いられるスケーラーには市販品がありますが、自分で歯石を取り切るのは難しく、歯茎を傷付ける可能性があります。
特に深いところにある歯石や、歯周ポケットの深くに形成された歯石は、専門的な技術と専用の器具を用いて除去する必要があるため、歯科医院で対応してもらいましょう。
PMTC
PMTCは、歯科医師や歯科衛生士が専用の機器を用いてバイオフィルムを除去する歯のクリーニングです。
専用のブラシ・チップ・ペーストを用いて歯を磨くため、通常のブラッシングで除去しきれない歯垢の除去に効果を発揮します。
さらに歯の表面がツルツルになるため、汚れが付きにくく、虫歯や歯周病になりにくい歯を保てます。
歯をきれいに見せる効果もあるため、予防歯科を続けるモチベーションにもなるでしょう。
フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗布すると、虫歯の予防に効果的です。
フッ素には、歯の再石灰化を促進して修復を助ける働きがあります。
再石灰化とは、溶けた歯が唾液中のカルシウム・リン酸などのミネラルを取り込んで補充し、歯を元に戻そうとする仕組みです。
初期の虫歯の場合、フッ素の塗布を行うことで歯のエナメル質が再石灰化によって修復され、進行を抑制する効果が期待できます。
またフッ素には虫歯菌の働きを抑える効果があるため、虫歯になりやすい人はフッ素塗布を定期的に受けることをおすすめします。
歯磨き指導
予防歯科では、歯科衛生士が個人に合わせた適切な歯磨きの仕方を指導します。
毎日行う歯磨きにもコツがあり、歯並びや歯の形によって一人ひとりに適したブラッシング方法があります。
磨き方が不適切だと、欠かさず歯磨きをしても汚れの蓄積が早いため、専門家のアドバイスを受けながら効果的な磨き方を身につけることが大切です。
予防歯科の基本となる自宅でのセルフケア

予防歯科のために自身で行えるケアには、以下のものがあります。
適切な方法での歯磨き
歯科衛生士の指導に従って、適切な方法で歯を磨く習慣をつけましょう。
歯ブラシは奥の歯までしっかり届く大きさのものを選び、力を入れすぎずに小刻みに動かします。
特に、歯同士の間や歯茎の境目などは磨き残しがないように意識して磨いてください。
毎日の歯磨きを欠かさず行っている場合でも、歯ブラシが届かない部分のメンテナンスとして予防歯科を受けるのがおすすめです。
歯間ブラシやデンタルフロスの活用
磨き残しやすい部分の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを活用してきれいにしましょう。
歯間ブラシは歯と歯の間の歯茎に歯垢が溜まりやすい場合におすすめですが、隙間が狭い場合は歯茎にダメージを与えるおそれがあるため注意が必要です。
デンタルフロスは、歯ブラシが届きにくい歯と歯の境目に付着した歯垢を落とすのに効果的です。
歯ブラシによる歯磨きとデンタルフロスを併用することで、歯の側面に発生する虫歯を効果的に予防できます。
フッ素入り歯磨き粉の活用
歯科医院でのフッ素塗布に加えて、フッ素入りの歯磨き粉を使用するとより虫歯予防に効果的です。
ただし6歳未満のお子さんが使用する場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談のうえ、フッ素濃度が低いものを選びましょう。
フッ素入り歯磨き粉で歯磨きをしたあとは、フッ素を流しすぎないように少ない水で1回(気になる場合は2回)優しくすすぎましょう。
飲み物や間食の摂り方の工夫
虫歯を予防するためには、糖分の多い間食や飲み物は控える、時間を決める、食べ終わったら歯を磨くなどの工夫をしましょう。
砂糖を多く含み、歯に残りやすい食べ物は虫歯のリスクを高めます。
また、口の中に食べ物や飲み物が入っている状態が長いと虫歯になりやすくなるため、時間をかけて食べるのを避けて、食べた後はこまめに歯を磨きましょう。
まとめ
予防歯科ではプロフェッショナルなケアが受けられますが、自分で虫歯を予防する意識も大切です。
歯科医師や歯科衛生士の協力を受けながら、歯の健康を維持できるように努めましょう。
はやさか歯科クリニックでは、患者様とのコミュニケーションを大切にした、安心・快適な歯科治療を提供いたします。
家庭でのケアとプロのケアの両方を活かした、充実の予防歯科をお受けいただけます。
年齢を問わず、虫歯や歯周病の予防を考えている方はぜひ当院にご相談ください。
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