小児歯科の歯列矯正にマウスピースは有効?治療の目的や期間、大人の矯正歯科との違いを紹介
子どもが受ける矯正治療には、歯列を整える以外にもさまざまな役割があります。
大きくなっても整った歯並びを持続させたい場合や、成長してからの矯正治療で抜歯が必要になるリスクを減らすためには、子どものうちから適切な矯正治療を受けることが大切です。
この記事では、小児の歯列矯正の効果や目的、大人の矯正治療との違いなどを紹介します。
子どもの矯正治療について知りたい方は参考にしてください。
Contents
小児のマウスピース矯正は効果がある?

小児のマウスピース矯正にはさまざまな効果が期待できるため、将来のことを考えて早めに検討するのがおすすめです。
装着時間を守って適切に行うことで、顎骨の成長促進、永久歯の正しい位置への配置、不正咬合や口腔習癖の改善が可能です。
大人になってからの歯列矯正は時間がかかる傾向がありますが、顎の骨がまだ発達途中にある子どものうちに矯正治療を始めることで、比較的短期間で歯並びを整える効果が期待できます。
乳歯はいずれ抜けるため、永久歯が生え揃ってから矯正治療を受けたほうが効率的に感じるかもしれませんが、幼いころから矯正治療を行うと、その後歯列矯正の必要がなくなる可能性があるのです。
小児の歯列矯正について具体的な話を聞きたい方は、一度小児歯科で相談することをおすすめします。
小児のマウスピース矯正で使用される矯正装置

小児のマウスピース矯正で使用されるマウスピースには、おもに以下の4種類があります。
- プレオルソ
- マイオブレース
- インビザライン・ファースト
- ムーシールド
それぞれのマウスピースについて解説します。
プレオルソ
プレオルソは、6歳から11歳の子ども向けのマウスピースで、症例によって形状やサイズ、硬さを選択できます。
日中の1時間と就寝時の装着のほか、口周りの筋肉を鍛える『あいうべ体操』や舌の位置や動きを正常に維持する『パフパフ法』を並行して行うとより効果的です。
歯並びのほか、ポカン口や歯ぎしりの改善にも効果が期待でき、私生活への影響が少ない特徴があります。
マイオブレース
マイオブレースは、小学1年生から5年生くらいの子どもに適したマウスピースで、基本的にはプレオルソと同様の時間・方法(日中の1時間と就寝時)で装着します。
マイオブレースを使用する場合、マイオブレース・アクティビティーズと呼ばれる専用のトレーニングプログラムを利用でき、呼吸や舌のトレーニングによって歯や顎の発達に影響を及ぼす習慣を改善することが可能です。
歯列が乱れている根本的な原因を治療するため、リテーナーやワイヤー固定を必要としない矯正治療が受けられます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、成長期の子どもを対象としたマウスピースで、乳歯と永久歯が混在する時期に顎の成長を促しつつ歯並びを整えていきます。
透明なマウスピースを用いるため、矯正中も目立ちにくいのが特徴です。
効果を得るためには一日20時間以上の装着が必要であるため自己管理が重要ですが、痛みが少なく治療期間の短縮が見込める利点があります。
ムーシールド
ムーシールドは、3歳から12歳頃までの顎の成長段階である時期に使用されるマウスピースで、主に受け口(下顎前突)の治療に用いられます。
早期治療から始まり、永久歯が生え始めて顎の成長が落ち着くまでの期間に効果的に作用するのが特徴です。
基本的には就寝時に装着しますが、日中も最低1時間は装着が推奨されます。
小児のマウスピース矯正の効果

小児のマウスピース矯正には、以下の効果があります。
顎骨の正しい発達を促進する働きがある
子ども向けマウスピースには、顎骨の正しい発達を促す働きがあります。
硬いものを食べる習慣がなく、柔らかい食事を中心に生活している子どもは、咀嚼力が低下して顎骨の発達が不十分になる傾向があります。
顎骨が正常に発達しないと、その後永久歯が生えてくるスペースが不足する可能性があり、将来的な歯列の乱れを引き起こしやすいです。
マウスピース矯正を行うことで、永久歯が正しい位置に生えるために必要なスペースを確保できるため、歯並びが自然にきれいになるほか、お顔のバランスを整える効果も期待できます。
お口周辺の筋肉の発達を促す
小児のマウスピース矯正には、お口周辺の筋肉を鍛えて発達を促す効果があるため、口腔習癖の改善に役立ちます。
舌で歯を押す癖や、ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)は、歯列の乱れや不正咬合の原因になる可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりは、子どもの成長過程でよくみられる現象ですが、ひどい場合は歯がすり減る可能性もあるため、できるかぎり改善するのが望ましいです。
特に筋機能矯正装置と呼ばれるタイプのマウスピースには、歯列矯正よりも口周りの筋肉を鍛える働きがあるため、口腔習癖の改善により効果的です。
虫歯の予防につながる
子どもの歯列矯正は、虫歯の予防にも効果が期待できます。
歯列が乱れていると、ブラッシングが行き届かずに磨き残しが増え、虫歯のリスクが高まります。
特に小児歯科に通う子どもの中には、自分でしっかり磨けず仕上げ磨きが必要な年代の子もいるため、歯の磨きやすさは非常に重要です。
歯列矯正には見た目を整えるだけではなく、歯磨きをしやすい口内環境を維持する役割もあります。
鼻呼吸を習慣づける
小児のマウスピース矯正には、鼻呼吸を習慣づけてお口のさまざまなトラブルを予防する働きがあります。
口呼吸の習慣があると、口周りの筋力が低下して顎骨の発達に影響を及ぼすため、間接的に歯列の乱れや不正咬合につながるおそれがあります。
またほこりや細菌を吸い込みやすくなったり、口内の乾燥で虫歯や歯周病、口臭などのトラブルが生じたりしやすいです。
鼻呼吸では鼻の粘膜がフィルターとして細菌やウイルスの侵入を防止するだけではなく、口を閉じることで口内を乾燥から守ります。
口腔内の健康と骨格の正常な発達をサポートする効果があるマウスピース矯正は、口呼吸が習慣づいている子どもに有効です。
小児のマウスピース矯正のメリット

小児のマウスピース矯正には、以下の3つのメリットがあります。
- 痛みが少ない
- 後戻りを防止できる
- 取り外しができる
それぞれ詳しく解説します。
痛みが少ない
顎骨の成長段階でマウスピース矯正を行うと、大人になって顎骨が完成してから矯正治療を行うよりも痛みを軽減できる特徴があります。
子どもの顎は成長しきっておらず、骨が柔らかくて歯を動かしやすいため、痛みを感じにくく治療期間も短く済みやすいです。
子どもは痛みを感じる治療を嫌がるため、痛みが少ないうちに治療できるのは合理的であるといえます。
また、大人になってから矯正治療を行う際に抜歯が必要になる可能性を低下させられるため、身体への負担も軽減できます。
後戻りを防止できる
小児のマウスピース矯正では口腔習癖の改善も期待できるため、矯正後の後戻り防止にもつながります。
歯並びを一時的に整えても、舌で歯を押す癖やブラキシズムが改善されないと再び歯列が乱れる可能性があります。
マウスピースでこれらの癖を根本的に改善することで、不正咬合の予防にも効果的です。
取り外しができる
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較して矯正装置が容易に着脱できて、目立たないのが特徴です。
食事や歯磨きの時は取り外せるため、矯正中のストレスを軽減できます。
また、普段通りにブラッシングでき、口内を清潔に保ちやすいのも利点です。
特に見た目を気にしやすい思春期のお子さんの場合は、目立たず使用できるマウスピース矯正が向いています。
子どもと大人の歯列矯正の違い

子どもと大人の歯列矯正は、どちらも歯列を整えるために行いますが、治療目的には違いがあります。
子どもの場合は、顎骨の発達が未熟なうちに歯列矯正を行うことで将来の歯並びの問題や不正咬合の予防につながります。
一方で、大人の歯列矯正の場合は見た目や噛み合わせの改善を目的として行われるケースが多いです。
乳歯はいずれ抜ける歯であるため、矯正治療の必要性を感じないかもしれませんが、乳歯の時点で歯列をきれいに見せるというよりは、永久歯がきれいに生え揃うように顎の成長をコントロールするための治療というイメージを持つとよいでしょう。
小児のマウスピース矯正における注意点

お子さんがマウスピース矯正を受ける場合は、以下の点に注意しましょう。
装着時間を守る必要がある
マウスピース矯正では、装着時間の自己管理が必要になります。
マウスピースの種類によって装着時間は異なりますが、装着時間が不足すると効果が十分に得られないため、歯科医師の指示を守って装着しましょう。
破損のリスクがある
小児歯科で用いられるマウスピースは、大人が使用するものよりも壊れやすいため、取り扱いに注意が必要です。
過度な力が加わる歯列の状態や食いしばりの癖などに加え、マウスピースをおもちゃにしたり噛んで遊んだりすると特に破損しやすくなります。
マウスピースに不備がある状態で使い続けると、治療の経過や歯並びに影響を及ぼす可能性があるため、早めに歯科医院に相談して対処しましょう。
保護者の管理が必要になる
お子さんのマウスピース矯正を順調に行うためには、親御さんの管理が重要です。
マウスピースの取り扱いや装着時間のほか、交換日のスケジュール管理なども保護者の方が行う必要があります。
ケースによっては、お口周りのトレーニングを行いながら歯列矯正を進める場合もあり、これを怠ると効果が十分に得られない可能性があるため、積極的に協力してあげることが大切です。
小児のマウスピース矯正にかかる期間

年齢や成長速度などの個人差はありますが、小児のマウスピース矯正にかかる期間の目安はおよそ1〜3年です。
乳歯が生えてから永久歯が生え揃うまでの期間に行う歯列矯正をⅠ期治療といい、歯並びや噛み合わせが適切な状態で維持できるのを観察したら治療は完了となります。
永久歯の並び方に問題があったり、噛み合わせの異常が現れた場合はⅡ期治療(成人矯正)の検討が必要です。
Ⅰ期治療で完了するか、Ⅱ期治療が必要になるかは実際に治療を受けてから判断されます。
小児のマウスピース矯正の費用相場

小児のマウスピース矯正の費用相場は、Ⅰ期治療でおよそ10〜70万円、Ⅱ期治療でおよそ80〜100万円が目安です。
Ⅰ期治療ではマウスピースを数種類の中から選択するため、それによって費用が異なります。
また、治療費の支払方法が都度払い制度かトータルフィー制度(総額からの追加料金が発生しない制度)かによっても費用が異なるケースがあります。
小児の矯正治療は大人と同様、基本的に保険適用外であるため、料金体系は事前に必ず確認しましょう。
まとめ
子どもの頃の歯列矯正は、見た目を整えるだけではなく骨や筋肉の正常な発達を促す効果があります。
永久歯が将来きれいに生え揃うように、乳歯のうちから歯列矯正を検討することが大切です。
はやさか歯科クリニックでは、Ⅰ期・Ⅱ期の成長に合わせた歯列矯正をお子さんと円滑にコミュニケーションを取りながら行います。
日本小児歯科学会や日本矯正歯科学会に所属する歯科医師が、歯医者が怖い・苦手と感じるお子さんでも安心・快適に受けられる歯科治療をご提供いたします。
お子さんの早めの歯列矯正は、ぜひ当院にお任せください。
おすすめの関連記事
-
2025.12.10 [水]
子どもが仕上げ磨きを嫌がる原因は?今日からできる対処法を解説!
-
2025.08.07 [木]
小児歯科は何歳から何歳までが対象?年齢別の口内トラブルや治療の内容について紹介
-
2024.12.12 [木]
【住吉区の小児矯正】「子どもの歯並びが心配……」矯正治療はいつから始める?
最近の投稿
- セラミック治療後に後悔しないために!知っておきたい3つのポイント
- 歯周病の予防ケアはなぜ必要?|全身疾患との関係をわかりやすく解説
- 子どもが仕上げ磨きを嫌がる原因は?今日からできる対処法を解説!
- むし歯の進行段階を解説|「痛くないから大丈夫」と放置すると、歯を失う原因に
- 見た目と噛み心地のよい入れ歯!インプラントオーバーデンチャーとは?







